もし、一週間に8日目があったなら
このホテルのコンセプトは、たったこれだけだ。
「1週間が8日あったとするならば、人はどのようなインスピレーションを、そこで抱くのだろうか」
月曜から日曜までの7日間は、誰かのために使う日。8日目は、自分たちのためだけにある日。
茅ヶ崎駅の南口から歩いて4分。商店街と住宅のあいだに、その”8日目”は突然あらわれる。4階建ての白い建物、ヤシの木、真ん中に楕円形のプール。日本の地方都市の駅前に、なぜかカリフォルニアのモーテルが1軒だけ落ちている。
ここを選ぶ理由は、3つある
1. 水着で入る。だから、ふたりで入れる
日本の温泉やサウナは、ほぼすべてが男女別・裸が原則だ。せっかくふたりで旅をしていても、いちばん気持ちのいい時間を別々に過ごすことになる。
8HOTELのサウナは水着着用の男女共用。サウナブランドTTNEが手がけた本格フィンランド式で、セルフロウリュも自由。ヒノキの香りの蒸気を、隣に座ったまま浴びられる。
「日本のサウナ文化を体験したい。でも別々になるのは嫌だ」——その願いへの、いまのところ最良の答えのひとつだ。
2. タトゥーがあっても、たぶん大丈夫
日本のほとんどの温泉・銭湯・サウナは、タトゥーがあると入館を断られる。海外から来た旅行者がいちばん驚き、いちばん落胆するルールだ。
ここは違う。公式には「ラッシュガードかカバーシールで隠してください」と案内されている。ただ、実際に行った日は、タトゥーを出したままプールにいる人が何人もいた。私たちも隠さずに入ったが、誰にも何も言われなかった。厳しく取り締まっている場所ではない。
もちろんルールはルールだから、気になるならカバーシールを1枚持っていけばいい。でも、腕にタトゥーがあるという理由だけで日本のサウナを諦める必要は、少なくともここにはない。
3. 水風呂が、プール
サウナを出て、13℃の冷水シャワーを浴びて、そのまま目の前のプールへ滑り込む。
日本のサウナには「水風呂」という、小さくて深い冷たい浴槽がある。ここではその役割を、空の下の大きなプールが担っている。仰向けに浮かぶと耳が水に沈み、音が消える。日本語で「ととのう」と呼ばれる、あの感覚が来る。
水温は季節によって17〜19℃前後。真冬はもっと冷たい日もある。

一日の過ごし方
15:00 チェックイン
部屋で水着に着替え、ガウンを羽織ってプールへ降りる。廊下も階段も吹き抜けで、ホテル全体がひとつの中庭を囲んでいる。部屋からプールまで、履くのはビーチサンダルだけ。
15:30 サウナ → 冷水シャワー → プール → プールサイド
これを2〜3周。プールサイドにはサンラウンジャーが並んでいる。急がないこと。急ぐと、ととのわない。
17:00 プールサイドで軽く
ラウンジのフードとドリンクをプールサイドで飲食できる。スパークリングワインもある。茅ヶ崎の名店「Plenty’s(プレンティーズ)」のアイスクリームは、サウナのあとに食べると人生が少し変わる。

19:00 夕食は、ホテルの外へ
ここが大事なところ。このホテルには、あえてレストランがない。
「ディナーは地元の店で食べてほしい」——地域に還元するために、ホテルは自前の飲食施設を持たず、スタッフおすすめの近所の店を紹介する。それが開業当初からの方針だ。
つまり、茅ヶ崎の夜をどこで過ごすかは、あなたが決めていい。
21:00 ナイトプール
夜はプールがライトアップされる。21時以降はクワイエットタイム。声を落として、水に浮かぶ。
翌7:00 朝ウナ
サウナは朝6:30から。誰もいない朝のプールは、その日いちばん静かな時間だ。
8:00 朝食
湘南の野菜をたっぷり使った日替わりスープが毎朝3種類、おかわり自由。メインはホットドッグかパンを選ぶ。水着の上にガウンを羽織ったまま、スープを飲む朝。
11:00 チェックアウト
チェックアウト後も共用エリアは使える。荷物を預けて、もう一度海へ行ってもいい。
夕食:茅ヶ崎の夜を、どこで過ごすか
ホテルから歩いて数分の範囲に、東京の観光地では絶対に出会えない店がある。
升源(ますげん) 1965年創業。駅南口すぐ。地元の人が毎晩通う、煙と声でいっぱいの居酒屋。名物は「まんしゅう焼き」。英語のメニューはない。それでいい。
炭火酒場 ピカピカ 古民家を改装した焼き鳥屋。天気のいい日は縁側の席へ。串の種類が多く、地元の日本酒がそろっている。
トラットリア ガタキーヂ 駅から徒歩3分。肉料理とワインリストが本物。旅の途中、少しだけ「家の味」が恋しくなった夜に。
※いずれも予約推奨。ホテルのフロントに頼めば電話を入れてもらえることもある。
海へ:ホテルの外にあるもの
茅ヶ崎は「湘南」と呼ばれるエリアの中心にある。日本人にとっては、サーフィンと音楽と夏の代名詞のような街だ。
ホテルからサザンビーチまでは、トゥクトゥクで送ってもらえる(天候により運休)。レンタサイクルもある。ビーチパラソルとピクニックセットを借りれば、手ぶらで海に行ける。
海に着いたら、何もしなくていい。晴れた日には、水平線の向こうに富士山が立っている。
泊まらなくても、行ける
客室付きの日帰りプランがある。東京に宿を取ったまま、茅ヶ崎まで日帰りでサウナとプールだけを楽しむこともできる。デイユースは12:00〜16:00(最大4時間)、ナイトユースは18:00〜23:00(最大5時間)、期間限定で12:00〜24:00の最大12時間プランもある。
いずれも13㎡のスタンダードルームが付き、サウナとプールは使い放題。料金はプランと時期によって変わる。
水着を持っていなくても大丈夫。BILLABONGの水着が1,000円でレンタルできる。ビーチサンダルも。
日曜の朝はヨガ。9:00からの60分レッスン(定員6名)。5月〜10月はプールの上でSUPヨガも開催される(30分・定員3名)。前日までにフロントで予約を。
2026年8月8日:一生に一度の”8の日”
令和8年8月8日。数字の8が3つ並ぶこの日、8HOTELは「888 DAY & NIGHT PARTY」を開催する。
昼は茅ヶ崎で。プールサイドにDJが立ち、熱波師がサウナで扇ぎ、BBQの煙が上がる。夜は姉妹施設の8HOTEL SHONAN FUJISAWAへ舞台を移し、湘南のブランドが集まるマーケットと、サウナと音楽が交差するナイトパーティー。
この夏に日本にいるなら、この日をカレンダーに入れておいてほしい。
行く前に知っておきたいこと
サウナとプールの中では飲食できない。プールサイドはOK。酔った状態での利用は不可。
頭からの飛び込みは禁止。深さのあるプールではない。
21時以降はクワイエットタイム。中庭を客室が囲む構造なので、声は全部の部屋に届く。
部屋はコンパクト。全33室。シングル13㎡、ツイン22〜24㎡。部屋は寝るための場所で、生活の中心は水の周りにある。
撮影OK。サウナを含め館内全域で撮影が許可されている珍しい施設。ただし他のゲストを写さないこと。
基本情報
| 名称 | 8HOTEL CHIGASAKI(エイトホテル茅ヶ崎) |
| 住所 | 〒253-0052 神奈川県茅ヶ崎市幸町18-35 |
| アクセス | JR茅ヶ崎駅 南口より徒歩4分/東京駅から約54分、新宿駅から約60分 |
| 電話 | 0467-55-5175 |
| 客室数 | 33室(シングル27・ツイン4・キング2) |
| チェックイン/アウト | 15:00 / 11:00 |
| サウナ | 6:30〜23:30(水着着用・男女共用・セルフロウリュ可) |
| プール | 6:30〜23:00(21:00以降クワイエットタイム) |
| 朝食 | 7:00〜11:00(L.O.10:30)/1,500円 |
| 水着レンタル | 1,000円(BILLABONG) |
| 公式サイト | https://chigasaki.8hotel.jp |
| @8hotel_chigasaki |
8日目は、予定を入れない日だ。
水に浮かんで、空を見て、それだけで一日が終わってもいい。
茅ヶ崎は、そういう街だ。
この街を、地元の私たちと一緒に歩いてみませんか。あなたが本当に見たいものを軸に、急がない少人数のツアーを組み立てます。気になることを教えてください。地図はそこから描きはじめます。


